2009年12月28日月曜日

11.21-23 ムラアカリをゆく旅@高知レポート ②

「ムラアカリをゆく旅@高知」もとい
「見えないものを見るツアー」のレポートの続きです。

二日目は朝の座禅からスタート。

前夜は遅くまで飲みながら語らっていたので
みんな眠い目をこすりながら道場へ。

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はじめての人もいましたが、
目をそっと閉じて座禅を組みます。

冷たい空気を身体に入れて
静寂の中に身をおいていると
不思議と意識は冴えて身体が清まる感じがしました。

座禅のあとは朝食を食べ、
みんなで掃除をして、記念撮影をしたあとは
一路海へ!

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ここ、高知の海にもサンゴがいるんです。

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見えにくいですが・・・赤い立派なサンゴがいました。

ここでイカ釣りをするものの、イカは釣れず。
高知名物のイモケンピを頬張りながら、大きな海を眺めていました。

そして次は、
ふくちゃんが大学に入ってからお世話になっているという
柚子の村・入河内へ移動。

ここでは高齢化が進み、
たくさんの柚子が収穫できないために
大学生をボランティアで受け入れているのだそうです。

大学生は労働力を提供する代わりに、
農家さんたちは温かい食事と寝床を提供する、と。
ぼくがやらせていただいていた旅のようなものです(笑)

今回は柚子の収穫はやらず、
「自然薯」を掘りに行きました!


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ここに立って、ふくちゃんがみんなに質問。

「ここから自然薯の場所が分かります。何本あると思いますか?」

「・・・まったく分かりません(苦笑)」


ほんとに全く分かりません。
お茶畑と柚子畑の向こう側の林の中。
ただの緑しか見えないんだから・・・

するとふくちゃん、
「ここには4本あります」と。

「え!?」

詳しく聞いてみると、
葉っぱの色と形で見分けられるんだそうです。
自然薯の葉っぱは黄色くて、ハート型をしている。

その葉っぱを見つけたら、
そのツルを伝っていって・・・
地面につながる場所を探っていきます。

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その場所を丁寧に掘り返していく。

この下には自然薯が眠っているのですが、
その深さは彫ってみないと分からない。
傷つけないようにはじめは慎重に探っていって・・・

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どんどん掘っていきます。

でも、掘っても掘っても姿は見えず。

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1mくらい掘ったかな?
というところで雨が降ってきたので退散。

柚子を絞る体験をさせていただきました。

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柚子を絞った後は、
食事をつくります。

農家のおかあさんに手伝ってもらってチラシを。
高知では?普通のお酢ではなく「柚子酢」を使います。

これがうまいんだー

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そして、料理をしている途中、
暗闇に小雨がぱらつくなか、
ふくちゃんが自然薯を取りに行ってくれました。

そして取れたのがコレ!

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天然の自然薯ってはじめて手にしましたが、
すってみると、その力強さに唖然。

今まで食べていた山芋ってなに!?
あれは水増しされていたのか!?
っていうくらい、すごい粘りです。

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↑もちあげてもぶら下げても落ちない。すごい粘りなんです。

いやー、ほんとにおいしかった!

二晩連続で豪華な食卓を囲み、
楽しく夜中まで語り合いました。

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ふくちゃんツアーはここまで。

3日目は番外編でしょーちゃんを中心に
赤岡の町やひろめ市場などを案内してもらったのですが
それはまたが機会あったら書こうと思います。

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↑快晴の空の下、集落を見守るように柚子の木が立っています。


というわけで、
ちょっとこの旅を考察してみようと思います。


「見えないものを見るツアー」

レポートを読んでいただけたら
そのコンテンツの充実さが伝わると思って(願って)います。

ただ、ここでは伝えきれていない
大きな「心」の動きが存在しました。
それは学びと言い換えてもよいものだと思います。

「見えないもの」 これを一言で言い換えるとしたら
「つながり」 だと思います。
(これは僕の一意見です)




都会には
"消費"しかありません。



加工、販売、マーケティング、広告、流通・・・

いろいろな仕事がありますが、

その多くは生産されたものを扱うものです。



それゆえ僕達が東京にいて普段口にするものは

加工された場所や、

販売している会社や、

広告代理店のことは知っていても、

その手前の"生産"の部分については分からない。



たまに生産者の名前や顔が書いてあったとしても、

それは単なる情報としてのものであって、

現実的には生産と消費は分断されています。



きっと江戸時代には既に

都市と農村の住み分けはあったのだと思うし、

それによって享受してきたものもあると思うので
分かれていること自体は、なんら否定しようとは思はないのですが・・・



ただ、
都会の生活に慣れきってしまった


僕らにとってはその"つながり"を知ることで

人生を見つめ直すような機会にも成り得ると思うのです。



少なくとも、ぼくは半年間の旅で経験したし、
今回一緒に旅をしたみんなも同じような感想でした。


自然薯を掘る時、全部は取らない。

茎を一本残しておく。
むかごを植えておく。
未来のために。


そんな暗黙の了解があって・・・
それは自然とのつながりであり、
時代を超えたつながりでもある。


今回出会ったあるおばあちゃんは
終戦後に満州から引き上げてきた時に
柚子の木を植えたのだといっていました。

柚子はすぐには実らない。

先人が大切に育ててくれたものが今、実をつけている。
これは林業にもいえること。

そこには目には見えない「つながり」があって、
それによって生かされているんです。

当たり前のことだけど、
普段都会の中で意識することは難しい。


あと、
「どうしてこんなに大変なのに自然薯を掘るの?」
と、ふくちゃんに質問したとき、

「ぼくが掃除をしても家族はそんなに喜ばない。
 でも、自然薯は自分しか取れないし、
 自然薯を持って帰ると家族が喜ぶから...」

そんな風に答えた。

家族に貢献するために、
3時間掘っても、1m掘っても出てこない自然薯をわざわざ掘る。


このことに、
ぼくはガツンとやられました。

「つながり」を大切にするというのはこういうことだよなぁ・・・と、
全然実践が伴っていない自分を省みました。。


ちょっと褒めすぎかもしれませんが(笑)

ふくちゃんと一緒に海や山を歩くと、

生きる知恵と技術を持つということのすばらしさ
「つながり」を見ることができることの豊かさに気づきます。

地理的な田舎ではなく、
本当の意味での田舎の価値を改めて教わった気がします。

 



参加してくれたみんな、
そして高知の皆様、
本当にありがとうございました! 



また高知ツアーはまた開催する予定なので
みなさん、興味のある方はご連絡をお待ちしております♪


※旅のことが読売新聞・朝日新聞で取り上げられました!

 朝日新聞 「週刊まちぶら
 http://mytown.asahi.com/kochi/news.php?k_id=40000140912070001


※参加者 しょーこちゃんのレポート
 https://www.kochitabi.net/w3798534/archive/1

※旅の振り返り飲み会「ディナートリップ」も大盛況のもと終了しました♪


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2009年12月27日日曜日

11.21-23 ムラアカリをゆく旅@高知レポート

時が経つのは早いもので・・・

もう年の瀬ですね。



いろいろご報告することも溜まっているのですが、

まずは「ムラアカリをゆく旅@高知」

【見えないものを見るツアー】のレポートから。



お待たせしてすみませんでした!!

長くなりますが...お時間のあるときにでもご覧ください。


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今回の高知ツアーは、ぼくが旅の途中で5月に高知を訪ね

その際に井上将太くん(しょーちゃん)という

高知大学生に案内してもらったことがきっかけで...



※そのときのエントリー

「6.3-8 高知県いろいろ *高知満喫!」


先日、彼が東京に来た時に、
大学時代からの親友川村氏を紹介して


そのあと川村がしょーちゃんプロデュースのツアーを企画して
福田安武くん(ふくちゃん)という自然児と遭遇。



「ふくちゃんというすごいやつがいる」
という噂を聞いていて、
高知再訪のツアーを企んでいたのですが、
今回ようやく開催を迎えたというわけです!


高知大学4年生の彼は、


オオスズメバチの巣を素手で!?駆除できるという技術を伝承していて

アルバイトで地中に眠る巣を駆除していたりします。



今回はそんな、ふくちゃんプロデュースのツアーをやろうということで、

「ムラアカリをゆく旅」第二弾を高知にて開催することになりました。





前置きが長くなってしまいましたが...

11月21~23日で開催(メインは21~22日の一泊二日)

おかげさまで今回も参加者10名の満員御礼でした!
(うち、一日のみ:1名、一泊二日:2名)

参加してくれた人たちも相変わらず個性豊かで...


新聞社から商社から建築系、物理学者(!?)、
移住コンシェルジェ(!!?)、学生、
ニートと幅広いメンツでした!笑



前回は友達の友達レベルで収まっていたのですが、

今回はなんと「はじめまして」の方が二名も!



しかもBlogだったりTwitterだったりで知って連絡してきてくれたとのこと。

いきなり一緒にツアーって不安だっただろうに...(二人とも女の子だし)



ありがとうございました!

そして、高知で受け入れ側としては
上述したしょーちゃん、ふくちゃんに加えて

同じく高知大のオオイくんとハチヤくんが一緒に受け入れてくれました!



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↑ふくちゃんです。


今回コーディネートしてくれたふくちゃんのことをもう少し書くと、


高知大学農学部で漁業を学ぶ四年生。



進路に関してはいろいろ悩んだようですが、

今は自分が小さいころから教わってきた先達からの知恵や文化を

より多くの人に伝えることを仕事にしたいと考えています。

そして、その仕事をつくるための期間として大学院へ進学することを決めた、と。



今回はそんな彼の企画するツアーの第一弾。

裏コンセプトは、ふくちゃんの仕事をつくるためにはどうしたらよいのか考えよう!

ということでした。みんな協力的でよかった(笑)



そんなわけで、
今回のコンセプトは「見えないものを見るツアー」。
副題は<~自然と寄り添う「暮らし」を学ぶ~>。



一日目、夜行バスに揺られてやってきた参加者一行は

自己紹介もほどほどに、まずは海へ向かいました。


※この辺、写真がなくてごめんなさい><




海に着くと、ふくちゃんから説明が。



「今日のごはんはみんなで調達してもらいます。
 ここではテトラポットに付いているジンガサという貝を採りましょう」



ふくちゃんが自分で溶接してつくったという

特製のヘラ!?的な道具とステーキナイフを手にして

みんないろんなところで貝を採っています。



ジンガサって、テトラポットにたくさんへばりついているアレです。

小さい頃に取ろうと格闘して、手が痛くて諦めていたヤツ。

こんなに大きくなって取ることになるとは思ってもみませんでした。



夜に食べることになるのですが、

これも実はうまいんです!



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実は参加者のうちの2名は当日朝一の飛行機で来たので

ちょっと貝採り現場から離れて戻ってきてみると...



最初は緊張していたみんなの顔が、

すんごく和んで"いいかお"になっているのに気づきました。



昨晩までオフィス街で働いていたような人たちが

夜が明けた途端に大きな空の下、波の音を聞きながら

どこまでも広がる水平線を眺めて貝を採っているわけですからね。



ワークショップでよく導入にやる「アイスブレイク」なんて必要ない。

場の持つ力、そして自然の持つ力を再認識しました!



そのあと、

前日まで熱があったけど飛行機で来てしまった(?)という

タマちゃんが貝を採るのに熱中していると・・・



「バシャン」



見事に海に落ちました(笑)



「海水は温かかった」

「落ちる時はスローモーションだった」

などなど、たくさんの名言を残してくれました。



11月(けっこう寒い)の海に落ちたにも関わらず

ネガティブな発言を一切しなかったことに「すごいなぁ」と思いつつ、

せっかくなので温泉に行ってしまおう!ということで黒潮温泉へ。
ここで長旅の疲れを落としたあと、
みんなで海が一望できる公園へ向かいました。



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お弁当を食べながら、
ここではじめて自己紹介。



改めて参加者層の幅広さにおどろきつつ、

みんなの参加動機や意気込みを聴きながら

これからはじまる旅に想いを膨らませるのでした。

ワクワク!





今回のツアーでふくちゃんは
「自分達が口にする食材はできるだけ自分の手で集める」

ということこだわりがありました。



その辺のことは追々書くとして...



海で貝を集めたあとに向かった先は、
夜須町羽尾の山間部に住む塩井さんのお宅。

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塩井さんとは5月にもお会いしたのですが、


山間部と海岸部の村をつなぐ「山海交流市場」という市を仕掛けて

観光客のいない普通の港町で一日一千万円以上?の売上げを出したり...

地域住民の自治会で小学生を役員に入れたり...

山間部で農業をやっていたり...

それでいて本職は消防士さんだったり...

��今は退職されたそうですが)



一言でも二言でも言い表せない

すごくいろいろなことをなさっています。

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実家で週末農業をされている畑で野菜をいただきました。
柚子やみかんなども大量になっているものの、
「取るのが面倒だから勝手に持っていってくれていいぞ」と。

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苦戦しながらもたくさんゲット!

みかんも野生に近い感じで生えているだけに
ただ甘いだけではなく力強さを感じます

無肥料、無農薬でも育つんですね。
ゆずもたくさん実っていました。

そして、柚子畑の足元に鮮やかな赤色の実が。

これも野イチゴで食べれるんです。
甘酸っぱくておいしい!

昔は子どものおやつって、こんなものだったのだそうな。

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そしてなんと、

塩井さんが「前日釣りに行ったら大漁だったから持っていけ」
と言っていただいたのがこれ。

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鯛!!サクラダイ!!



20匹くらい?

いただいてしまいました・・・

本当に感謝です><




これらを携えて、今日の宿へ向かいます。



山を登って登っていくとお寺が。

そう、禅寺の宿泊所?が宿になります。さっそく食事をつくります。



各自が積極的な自主性を発揮し、

みんな黙々と調理に入ります。



外では鯛のさばき方を、地元チームの男子たちが教えます。

やっぱりここは彼らのホームですね。

ワイルドに、かつ繊細に三枚におろす姿はかっこよいです◎

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↑暗闇の中ウロコを取って、三枚におろしています。数が多くて大変...



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↑ふくちゃんが潜って取ってきてくれた岩ガキ

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↑ゆず畑で収穫したフキ



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↑テトラポットで収穫!?したジンガサ

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そして完成したのがこの食卓!


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どうですか。

ほんとに感動しました。

塩井さんやふくちゃんからいただいたものも含め、
自然とのつながりがよく分かるものを、
自分達の手で時間をかけて調理して食べること。

これは本当に幸せなことだと再確認しました!


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そして出てきたのがコレ。

ふくちゃんが駆除しているオオスズメバチです。

成虫は焼酎に漬け、
ハチの子は佃煮にします。

ハチの子は食べさせてもらったのですが
これが濃厚でおいしいんです。

ふくちゃんいわく、
「これだけ飽食の時代になっても食べられている
 ということは理由があるんです」と。

今でもハチの子は1kg1万円くらい、
焼酎も一本1万5千円くらいで取引されているのだそうです。
焼酎は視力が回復する!?という効能があるのだそうで...


そんなわけで、
このあとお酒を飲みながら熱く語り合い...
高知の一日目は終わりました。

朝到着してからの一日でこれです。
なんと盛りだくさん!笑

翌朝は早朝座禅からはじまります。

長くなったのでひとまずこの辺で。

また第二段も更新します!

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