2009年2月24日火曜日

2.23 福井県若狭町

ムラアカリ 307.jpg

福井県若狭町の大下さんのお宅へお邪魔しました。

はじめにご縁をいただいたのは
三国の山崎さんが主催されている
「いなかのヒロインわくわくネットワーク」の集まりにて。

一昨年の2月に、全国から農家の女性を中心に
学生や企業の方が200人くらい集まってました。

そこで大下さん達は
若狭名産の梅干をPRされていたのですが
その際に運命的な!?出会いをしました。

その後、友人を集めて
7月に若狭を訪ねた際には
若狭の「かあちゃん会」でもてなしていただきました。

自宅の畑で取れた野菜をつかって
各家の「かあちゃん」がつくった料理が
机いっぱいに並んだ姿は圧巻でした(笑)

たしか7人-7人で
「合コンみたいね」といいながら
わいわい食事したことは最高の思い出です。

楽しかったなー!


そんなわけで、
ずっと再会したいと思っていたので
滋賀県から北上するのを機に訪ねてきました!

今回は他の方との都合が合わず
お会いできなかったのですが、
(前日の連絡だったので...ごめんなさい!)
大下家に一泊させていただきました。

大下家は梅農家なのですが、4世代8人家族。
絵に描いたような素敵な家族なのです。

子ども達もとっても素直でかわいくて
なんとも癒される時間でした。


ムラアカリ 303.jpg

大下のおっちゃんは小学校の校長先生を退職されたあと
今は「ハスプロジェクト」というNPOの会長をされています。

「ハス」というのは魚の名前で
昔は若狭に大量にいたそうです。
なんでも、遡上する時期には
川面が盛り上がるくらいいたそうな。

しかし、河川の汚染や環境の変化が原因で
今ではまったく見られなくなってしまったそうです。
(琵琶湖にはまだいるそうなのですがDNAが違うとのこと)

その「ハス」がまた帰ってこれる地域づくりという視点で
昔の暮らしを見直したり、環境問題に取り組んだりされているそうです。
(詳しいことはHPへ→http://www.komusyoukai.com/~hasupro/)

若狭町も高齢化が進んでいる地域なのですが
その中でも元気な若手が集まって
活発に活動をしているそうです。

特に面白いなと思ったのが活動費について。

普通なら助成金を頼って活動するのが一般的ですが、
助成金に頼ると自由に動けないという思いから
全て自主財源で活動されているのです。

その自主財源の作り方は
耕作放棄された湿原に昔ながらの農法で古代米を栽培して、
その販売益を当てているとのこと。

その農地にも連れて行ってもらったのですが、
最近周辺では見られなかった蛙の卵が
たくさん田んぼの中に生みつけられていました。

「お金」を出し合うのではなく、
「時間」と「手間」を出し合いながら作物を育み、
結実したものを元にして活動を行う。

その過程そのものが
つながりを生み出す仕掛けとなり、
さらに愛着を持って次に展開していくことができる。

とっても素敵な取り組みです!


なんだか親戚の家を訪ねたかのように
旅の疲れを癒していただきました。

きこ、まこ、まおちゃんの三兄弟が
みんな大きくなっていて、
相変わらずとてもかわいかったです。

なんと、翌日には
次に訪ねる予定の福井県池田町まで
車で送っていただいてしまいました・・・
この話はまた後日!

本当に、どうもありがとうございました!





2009年2月22日日曜日

2.21 滋賀県湖北町上山田

友廣@滋賀県湖北町です。

昨日も書きましたが
古民家風のめちゃくちゃ素敵な家に泊めてもらっています。
古民家のように見えるけれど
松本さんが自分でつくられたとのこと。



「家も作れる農家」...カッコイイ!

住むこと食べることを自分でできれば
外部環境に依存しない自立した生活が送れる。

「どっぽ村」の背景には、
そんな思想が隠れている気がします。

他にも、
今は味噌の仕込をしているのですが
蕎麦、漬物、キムチ、パン、プリン、甘酒、
織物、染物、家、、、
などなど。

なんでも自分達でつくってしまいます。

便利であることを否定はしない。
でも、自分達が生きる周りことくらいは
できるだけ自分の手でつくったものにしたいよね。

その方が豊かだし、素敵だよねと
本当に楽しみながら日々の生活が生み出されていきます。



ここは工房ですが、
研修をはじめて一ヶ月くらい経ったら
この小屋くらいはできてしまうとのこと。



朝起きると、
薪割りをした薪でストーブに火を入れて
おいしい新米の卵かけごはんをいただく。

食べ終わったら薪割り。



今は農閑期なので
どっぽ生(研修生)は主に大工仕事をやっています。

来週も新築の棟上があるそうで
その準備に全力で向かっているそうです。

こうして一つの家が生まれる。

どっぽ村の中にも
いくつかの建物が建設予定中だそうで、
次に来た時には新しい家がいくつもが生まれているんだろう。



都会の生活は慌しい。

毎日メールを返すことに追われて
PCに向かっているとなんだか忙しい気になるし
夜も遅くまでいろいろとやっていて
いつだって心が休まらない。

でも、ふと気づくと
なにも生まれていないことに気づく。

Active non-action

忙しくすればするほど
なにも生まれていない。

だめな時の自分は
この罠にいつもはまっていた...;


それに比べてここの生活はゆとりがある。

風を感じ、土に触れ、花を愛でつつ
ゆっくり慌てることなく歩むけれど
実際にはたくさんのことが生まれている。

既に取り組まれてきたことも
これからやっていこうという計画も
ここに書ききれないくらいたくさんある。

今だって3~4の家を建てる準備中だし、
羊やヤギを飼う計画も進んでいたり
新しい商品をつくっていたりもする。
たった数名で、これだけのことが動いている。


農村での暮らしは
一見非効率なように見えるけれども
実は成果ベースで考えるとすごいと思う。

なんせ、毎日一つの行動の先には
なにかの成果が生まれている。

薪を割ったら火が生まれるし、
木を削ったら家が生まれる。

企画書を何日もかけて作って
ましてや、それが没になるなんてことはない。


五感を研ぎ澄ませながら
季節の移り変わりに耳を澄ましながら
地に足をつけて自分の生活をデザインする。

ゆっくりとしっかりと
周りの人とも丁寧につながっていく。


今日も抽象的な内容になってしまいました。

今日は大戸洞舎の松本さんも関わっている
湖北地域の農家さんや旅館さんなどが
つながって立ち上げた「ええもん本舗」という
NPOが主催する地産地商のイベントのお手伝いにいっていました。



大戸洞舎は
そば粉プリン、そばの実雑炊、山椒味噌を出したのですが
どれも大盛況で売れました。
そば粉プリンはとってもおいしいです。
興味がある方は連絡ください(笑)
取り次ぎます!



偶然つながったのですが、
こうして湖北地域という広域エリアでの
異業種の横のつながりによる取り組みも
とても興味深くて勉強させてもらいました。

長浜の街も非常に素敵でした。
また改めて、ゆっくり行きたいな。



ラ・フランスの味がする
新種のイチゴを出されていたのですが

今までの人生で一番おいしいのでは!?
というほど、本当においしかったです。

来年はイチゴ狩りツアーを企画しようと思います(笑)



(ネット環境が悪くて写真がアップできないのでとりあえず写真無しで更新しました)


2009年2月21日土曜日

2.20 滋賀県湖北町上山田

昨夜、滋賀県湖北町上山田にある
「大戸洞舎(おどふらしゃ)」という農家さんにやってきました。
三国の山崎さんにご紹介をいただきました。

大戸洞舎は、
松本茂夫さん富子さん夫婦がやられている農家で
お米を中心として大豆や蕎麦などの農産物と
その加工食品として味噌や蕎麦雑炊などを売られています。

それだけではなく、
敷地内には素敵な建物がたくさんあるのですが
それらを全て手作りで建てられているとのこと。
「家もつくる農家」だそうです。


ムラアカリ 299.jpg

これから泊めていただくのが
この素敵なおうちなのですが、
これも茂夫さんがつくられたとのこと!!


同じく、上山田集落の中に
「エコワークス」という建築工房があります。
清水さんという方がやっているそうなのですが
こちらは本業が建築で、米もつくっているので
「米もつくる大工」とのこと。
(まだお会いできていませんが...)

この松本さんと、清水さんのお二人が中心になって
「どっぽ村プロジェクト」というのを
最近立ち上げられました。


このプロジェクトを簡単に紹介すると、

若い研修生を受け入れて(なんと有給!)
三年間「農業×建築」の現場で働き
家も食料も作れるようにするというもの。

そんなことで現在は3名の研修生がいます。
(なぜか高学歴な人が多い!?)

他にも周りには若い人が住んでいたりして、
到着した日は皆さんが集まって
蕎麦を打っていただきました。

蕎麦打ち機を借りたので
それを使って...ということだったのですが
やはり手打ちにはかなわないようでした。

みなさんはあまり美味しくないと言っていたのですが...
東京で安い蕎麦ばかり食っていた僕には
とてもおいしかったです。

10人以上が集まって
会話をしながら食事ができるっていうのは幸せなことですね。

こんな迷い込んだよそ者も
自然にやさしく受け入れて下さりました。
懐が大きいです...


ここはソトコトなんかでも取材されていたりするので
既に知っている人もいるかもしれませんが、
またしても素晴らしいところに出会ってしまいました。

相当すごいところです。

ちなみにここは周囲9割を山に囲まれた中山間地域です。
標高は高くないし、駅からもそんなに遠くないので
交通の便などは悪くないのですが...

やっぱりすごい。
モデルとなる革新的な場所だと思います。


今日は味噌作りのお手伝い、
大工仕事のお手伝いなどをさせていただきました。

詳細はまた明日?





2009年2月19日木曜日

[info] 今後の予定

友廣@現在福井→滋賀へ移動中です。

予想以上にネット環境が整わず
タイムラグが生じてしまいますが
できるだけしっかり感じたことを残していこうと思いますので
引き続き、どうぞよろしくお願いします!

友廣の今後の予定ですが、

2月16~19日 福井県三国
2月19~22日 滋賀県湖北町
2月22~23日 福井県若狭
2月23~26日 福井県池田町
2月26~3月1日 富山県五箇山
3月1~8日   未定
3月8~14日  新潟県南魚沼市
3月16~22日  九州へ(東京・大阪経由)

このような予定となっております。

しかし、すべて予定は暫定であり
その場で感じたこと出会うべき場所に行くので
変更になる可能性は大いにあります。

が、それでも旅に同行したいと言って下さる方がいれば
多少強引に(笑)連絡をいただければと思います。
なんとかしていきますので^^
よろしくお願いします!

※プロジェクトを同行する予定の木村くんとは現在別行動中です。


2.19 移動中


友廣@福井から滋賀への移動中

この旅でなにが残せるのか。
少しずつだけど考えはじめました。


ムラアカリ 177.jpgのサムネール画像のサムネール画像

この旅では、
成果から引き算をして必要なことをする...
というアプローチはしないと決めました。

複雑な要素を全て勘案できるほど
自分の頭が良くないということは知ってるし^^
なにより、一歩進むごとに予想を超えた
想定外のことが起こると信じたいから。

一歩一歩、
毎日毎日、
出会ったこと、触れたこと、考えたこと、
それらを積み重ねていく。

結果を意図すると焦るし不安になるけれど
グッとこらえて"今"なにができるかを考える。

だから、このサイトでも
キレイにまとまったものは期待しないでください(笑)

一日に起こった複雑な出来事たちを
すっきり編集できるほど
たくさんの時間も能力もありません。
(能力のほうが問題なのだが...;)

というわけで、
今の等身大の自分が感じられること
文字化できることを書いていきます。

時には時間や体力の都合上、
少ししか書けないこともあるけど
それもその時点の等身大の友廣です。
永遠のベータ版として更新を続けられるよう努力します!


...と、

プロジェクトの説明っぽくなってしまったけど、
今のところのテーマは「生き方」みたいなところにある気がする。


三国である方と話していて、

「東京での暮らしは
水を買うのにもお金がかかる。

お金を得るためには
言いたいことが言えなかったり
言いたくないことを言わなければならなかったり
自分の人生に筋を通せないことがある。

実家暮らしではない東京の若者は
生きていくだけでもかなり大変で、
一度レールに乗ってしまうと
ハムスターの車輪のようなもの。

走り始めたらとまれない。

唯一の選択は、車輪から抜け出ることだけ。
だから僕は別の道を選んだ」

という話を聞いた。


なまじ、それなりの大学を出ると
こういう意識はあまりないかもしれないけど、
実際そんなに違わないと思う。

一度良くない方向に回りだすと
この流れは止められない。


その人は、
「お金は足りないくらいでも
自分が心から喜ぶ生活をして
家族と笑顔でおいしいものを食べて
月に半分くらい温泉に入れる暮らしがしたかった。
だから、農業に関わりたいと思って帰ってきた」
という。


本当にシンプルなこと。

自分はどう生きたいのかを考えよう。

橋本さん夫妻も、
山崎さん夫妻も、
どちらも約25年前に
農業、そして社会の25年先をデザインしていた。

それは大切なことを大切にする生活の中で
自然に辿り着いたように見えるけど
20代の葛藤の上に成り立っていることは自明だ。

今の皆さんと比較するのではなく、
その原因をつくっていた時代のことを考え
自分の人生の参考にしたいと思う。


これから滋賀県湖北町へ。

なにが起こるか楽しみだ。





2.18 福井県三国

朝、目覚めると同時に薪ストーブに火をおこす。

電気ストーブならボタンを押したら1分で着くのだけれど
薪ストーブは早くても10分くらいかかる。
(はじめは30分くらいかかってしまった;)

生活は早ければ、効率がよければよいというものではないと思わせてくれる。

おいしい朝食をご馳走になった後は犬の散歩。
一匹を散歩すると、放し飼いの二匹が着いてくる。


ムラアカリ 198.jpg

どこに行けばいいのか
犬に任せながら
手綱を引かれるままに歩く。

雪の舞う平原を
思うままに駆け回る。

こんな朝の過ごし方も悪くないなぁと思う。



その後は
念願の生キャラメルづくりを手伝うことに。

三国の港の方に行くと「カルナ」という
ジェラート屋さんがあります。

おけら牧場で搾れたミルクや卵を使い、
また、全国の田舎のヒロインの方々から届いた
果物や野菜を使ったジェラートを作っています。

洋子さんがイタリア研修の後にスタートし、
現在は息子の大和さん夫婦が中心に回しているのですが、
ここのジェラートは本当においしいのです。
レパートリーが多くて(100種類くらいある??)

*今日味見させていただいたのが...
 「三国の塩」「菜の花」「バナナ」「イチゴ」「ブルーベリー」


ジェラートの他にもプリンやシュークリームなどを作られているのですが、
この度新商品として生キャラメルが登場しました。

これがまためっちゃくちゃおいしくて、
この数年で食べたお菓子の中で一番なんじゃないかと思うほどでした!

そんなこんなで近く、
たくさん販売する機会があるということで
昼から夜までお手伝いをさせていただきました。

*

詳細は割愛しますが、
「農業」の未来を見た気がします。

規模ではなく小さいことを大切し、
家族経営の中で多角化をすすめる。
大切な生産物を、大切に加工して、
付加価値をつけて、お客さんと良い関係を作っていく。

お客さんとの距離が遠くなると
"物語"が届かなくなってしまう。

いまの時代に必要なことは、
マーケティングという名のものとに市場に"媚びる"ことではなく
本当によいものを、よいと思ってくれる人に、想いを込めて提供すること。

生キャラメルを捏ねながら、
愛知からジェラート食べに来たという人が
「すごくおいしかったです!」と笑顔で帰るお客さんを見て
そんなことを考えていました。


ちょっと過疎地とは違いますが、
これはあらゆることに通じるなと思います。

今日も支えてくれる皆さんに感謝!

それでは今日はこの辺で。





2009年2月18日水曜日

2.17 福井県三国


朝起きると朝の日差しの中に雪景色。
景色を見るだけで感動できる生活。


ムラアカリ 180.jpg

昨夜から
福井県三国のラーバンの森・おけら牧場という
肉牛がメイン、ジャージー牛のミルクや鶏卵もつくっている
農家さんにお邪魔しています。

ここは市街地から離れた林?の中にあるのですが
三国全体では人口も増えているようで
過疎地でも限界集落でもないのですが...

この農家の主、山崎夫妻はお二人とも早稲田出身、
(夫の一之さんは中退されたそうですが;)
Iターンで三国の地を開拓されたとのこと。

年齢や東京出身でIターンという境遇、
"ヨソモノ"が新しい感性で新しい農業をやっている点では
土遊野の橋本夫婦と似ている気がします。

ここにはじめてお邪魔したのは一昨年、
学生時代に友人たちと一緒に滞在させてもらいました。

夫の一之さんは30年?ほど前に
茅ヶ崎出身なのですが三国の地と出会い
50アールの土地を買って井戸掘りからはじめられました。

アルバイトで貯めたお金で肉牛を買い
はじめは建設関係の仕事で餌を購入しながら
出荷までこぎつけたそうです。

そんな風にして0から作り上げられた場所には現在
肉牛、乳牛(ジャージー)、鶏、米、小麦、野菜...

そして、滞在をするためのログハウスや
子ども達のためのツリーハウスなどがあります。


奥さんの陽子さんが15年ほど前に
「田舎のヒロインわくわくネットワーク」という
NPOを立ち上げられて代表をされています。

書籍も出版されていて有名な方なので
ご存知の方もいるかもしれませんが、
これからは農家の女性が輝ける存在にならなければいけないと考え
全国の農家で活動する女性を訪ね歩いてつないだそうです。

数年に一度、早稲田大学にて全国集会を行っていて
ぼくも前回参加させていただいたのですが
これがまたすごい!

全国から農家の女性(男性も)が集まり、
加えて前回は学生・企業の方も含めて
200~300人くらいの人が集まりました。

そして、二日間に渡って農業だけでなく
広く「社会」について語り合う
熱気に溢れた時間を過ごしました。

農業を憂う声もいろいろあるけれど、
こうして一人一人が輝きを放つことから
現実は変わっていくんだろうと確信し
感動したことを思い出しました。

また、大学時代は組織論も少しかじりましたが
組織としても何気に最先端ではないかと思っています。
全国津々浦々の人たちが緩い紐帯でつながり
それぞれが個として輝きを放ちながら
「この指とまれ」的に何かが生まれていく。

自立分散のネットワーク型組織が
本当にしっかり機能しているという点では、
企業社会が向かうべき方向を指し示しているのではないかと思います。
(企業はまだ新たな時代の"組織"を確立できていないようなので;)

社会の向かうべき方向を、
15年前に既に描いていた...
ということに驚いていました。


そんなことで、
昨日夕方に富山でこれからどうしようかと考えた時
「ラーバンへ行こう」と思い立って洋子さんに連絡しました。

すると、
「いいよ。今晩おいで」と一言。

急だったので一晩かけて
福井に行こうかと思ったのですが、
食事も用意してくださるということで
急いでJR北陸線に乗って向かいました。


この懐の広さ。


いつでも・いつまででも泊めてくださると言い、
家族同様になんでも分け与えてくれます。

この人としての魅力が人を集め、つなぎ、
幸せな関係を紡ぎ出すのだと実感しました。


まだまだ書きたいことはあるのですが、
とりあえず今日はこの辺で。

明日はここで生キャラメルづくりをお手伝いして、
あさっては滋賀県へ移動することになりました。


*今日も本当にありがとうございました*




7日目

朝起きると朝の日差しの中に雪景色。
景色を見るだけで感動できる生活。

ムラアカリ 180.jpg

昨夜から
福井県三国のラーバンの森・おけら牧場という
肉牛がメイン、ジャージー牛のミルクや鶏卵もつくっている
農家さんにお邪魔しています。

ここは市街地から離れた林?の中にあるのですが
三国全体では人口も増えているようで
過疎地でも限界集落でもないのですが...

この農家の主、山崎夫妻はお二人とも早稲田出身、
(夫の一之さんは中退されたそうですが;)
Iターンで三国の地を開拓されたとのこと。

年齢や東京出身でIターンという境遇、
"ヨソモノ"が新しい感性で新しい農業をやっている点では
土遊野の橋本夫婦と似ている気がします。

ここにはじめてお邪魔したのは一昨年、
学生時代に友人たちと一緒に滞在させてもらいました。

夫の一之さんは30年?ほど前に
茅ヶ崎出身なのですが三国の地と出会い
50アールの土地を買って井戸掘りからはじめられました。

アルバイトで貯めたお金で肉牛を買い
はじめは建設関係の仕事で餌を購入しながら
出荷までこぎつけたそうです。

そんな風にして0から作り上げられた場所には現在
肉牛、乳牛(ジャージー)、鶏、米、小麦、野菜...

そして、滞在をするためのログハウス
ムラアカリ 161.jpg

子ども達のためのツリーハウスなどがあります。


奥さんの陽子さんが15年ほど前に
「田舎のヒロインわくわくネットワーク」という
NPOを立ち上げられて代表をされています。

書籍も出版されているので
ご存知の方もいるかもしれませんが、
これからは農家の女性が輝ける存在にならなければいけないと考え
全国の農家で活動する女性を訪ね歩いてつないだそうです。

数年に一度、早稲田大学にて全国集会を行っていて
ぼくも前回参加させていただいたのですが
これがまたすごい!

全国から農家の女性(男性も)が集まり、
加えて前回は学生・企業の方も含めて
200~300人くらいの人が集まりました。

そして、二日間に渡って農業だけでなく
広く「社会」について語り合う
熱気に溢れた時間を過ごしました。

農業を憂う声もいろいろあるけれど、
こうして一人一人が輝きを放つことから
現実は変わっていくんだろうと確信し
感動したことを思い出しました。

また、大学時代は組織論も少しかじりましたが
組織としても何気に最先端ではないかと思っています。
全国津々浦々の人たちが緩い紐帯でつながり
それぞれが個として輝きを放ちながら
「この指とまれ」的に何かが生まれていく。

自立分散のネットワーク型組織が
本当にしっかり機能しているという点では、
企業社会が向かうべき方向を指し示しているのではないかと思います。
(企業はまだ新たな時代の"組織"を確立できていないようなので;)

社会の向かうべき方向を、
15年前に既に描いていた...
ということに驚いていました。


そんなことで、
昨日夕方に富山でこれからどうしようかと考えた時
「ラーバンへ行こう」と思い立って洋子さんに連絡しました。

すると、
「いいよ。今晩おいで」と一言。

急だったので一晩かけて
福井に行こうかと思ったのですが、
食事も用意してくださるということで
急いでJR北陸線に乗って向かいました。


この懐の広さ。


いつでも・いつまででも泊めてくださると言い、
家族同様になんでも分け与えてくれます。

この人としての魅力が人を集め、つなぎ、
幸せな関係を紡ぎ出すのだと実感しました。


まだまだ書きたいことはあるのですが、
とりあえず今日はこの辺で。

明日はここで生キャラメルづくりをお手伝いして、
あさっては滋賀県へ移動することになりました。


*今日も本当にありがとうございました*





2009年2月15日日曜日

2.15 移動中

旅をはじめて5日が経ちました。

現在は富山から、
福井県の三国へ移動中の電車内です。
(時間の関係でヒッチハイクは断念...)

予想以上に毎日いろいろなことが起きるし、
やっぱり滞在した先で出会う方との関係を
最優先したいと思っていると
毎日の記録は軽いものになってしまいます。

なので、こうして移動中に
まとまった文章を書きたいと思います。

ヒッチハイクで苦戦をしながら
練馬~富山までなんとかたどり着き、
魚津市小菅沼地区→富山市小羽地区区土という
二つの"限界集落"を訪ねました。

今回は小菅沼にはあまり滞在できなかったので
実質、小羽地区の橋本さん夫婦がやられている
土遊野への滞在がスタートとなりました。

二回目の滞在でしたが、
やはりここは特別な場所でした。

集落に一軒しか残っていない場所。
きっとなにも知らずに一人で歩くと
廃村のように感じる人もいると思う。

でも、橋本さんたちがエネルギーを発している。

それはまるで野山に咲く桜のように、
多くの人の心を惹きつけ、
老若男女あらゆる人が集まり
土に触れ、わくわくしながら野をかける。

訪れる人たちが
いつしか自然体になり、
笑顔になって帰っていく。

東京の大学に通う娘のめぐみちゃんまで
実家に戻るという決断をさせてしまう。

いろいろと大切なことが眠っている気がします。
旅のはじめに訪ねることができて本当によかった。

ぼくにとって大切な場所です。


実は、あまりにバタバタして出てきたため
なかなか自分のペースがつかめず
しっくり来ない日々が続きました。

そのあたりのことも追い追い書いていきたいと思います。



とりあえず、
土遊野のみなさんどうもありがとうございました!


2.14 富山県富山市小羽地区土集落②

3日目

友廣です。
本日も「土遊野」に滞在させてもらいました。

朝からは養鶏の仕事。
集卵作業もだいぶ慣れてきました。



昨夜から合流したのが
◎山口洸輝くん
→早稲田大学理工学部4年生。
 1月に「自分の仕事を考える」というワークショップで
 奈良へ行った際に話したら興味を持ってくれて
 今回は一泊二日(滞在時間24時間)の強行日程で来てくれました。

今朝から合流したのが
◎末澤寧史くん
→慶應大学文学大学院を中退。
 学生時代はアフガニスタンでの映像配信プロジェクトや
 朝日新聞の学生記者をやったり、現在は絵本作家の見習い?をしています。
 今回は二日間の滞在ですが、今やっている仕事を整理してまた合流してくれるとのこと。


二人とも面白い視点を持っているので
やっぱりいろんな人が関わってくれるというのは
いいなと思いました。



そうそう、
今日はビニールハウスで野菜の収穫をしたのですが
水菜・ほうれん草・小松菜がどれもめっちゃおいしかったです!

有機無農薬なので収穫しながら
不要な部分をそのまま口に入れてみると
すんごく濃い味がします。
小松菜はなぜか塩っぽい味がしたり...

ただの野菜に感動できる幸せ!
というか、それって不思議なことなのかも。
こっちが本来の野菜の味なんだろうなー



○大楠さん
→富山県の地域振興課にお勤めで
 県内でグリーンツーリズムなどに取り組まれているそうですが、
 本日は都会の若者が4人もいるということで来てくださいました。
 とても博識で、卵についての豆知識や地域の課題について
 いろいろと教えていただきました。

たとえば、、
 鶏はあるものを食べないと毎日卵を埋めないそうです
 それはなんでしょうか!?

→「牡蠣の殻」だそうです。
 カルシウム分を摂取しないと、卵の殻を毎日つくることはできないんですね。


夜は『花はいつさくのか』という
ドキュメンタリーのDVDをみんなで見ました。
ベトナム戦争に関する映像なのですが、
枯葉剤によって障害を持った子どもがたくさん生まれた。
貧しいながらも子どもの命のために愛を尽くす親の姿を見て
人が生きるために必要なものはなにか...
いろいろと考えさせられました。


小学生の日記みたいですが(苦笑)
時間のある時にはしっかり書くので...
よろしくお願いします。





2009年2月14日土曜日

2.13 富山県富山市小羽地区土集落

※ネットがつながらなかったのでまとめて更新しています。
  当日の夜に書いた文章のままで掲載しています。

*******************************

ネット環境がないので更新が滞ってしまっているのですが、
本日から富山県富山市土という集落に滞在させていただいています。

集落の名前が「土」。
この土には「土遊野」という農家があります。
橋本英延さん・順子さん夫妻が東京からIターンで移り住まれて
有機農法による有畜循環型の農業を実践されています。

本日は午前9時くらいに越中八尾駅まで野村さんに送っていただき、
その後、橋本順子さんの車で家まで向かい、
そのまま鶏の集卵作業や草刈をお手伝いしました。


突然ですが、
温かいの卵って触ったことありますか?

ぼくは前回滞在させてもらった時に
集卵のお手伝いをしていて、
温かくてぬるぬるした卵を触って
妙に感動というか動揺というか
心が動いたことを思い出しました。

富山中山間地フィールドワーク


あと、以前にも書いたのですが
この集落にはなんと定住家庭が一軒しかありません。

もともとはもっとたくさんの方が住まれていたようなのですが
ほとんどが都市に移住してしまったそうです。

(詳しいことは橋本さんにお聞きしてまた書きますね)


 集落という単位では一軒なのですが、
地区という単位では100軒ほどあるようで
そのコミュニティのつながりは強いようです。

15日には「そば祭り」があるのですが
そこではそばを打ったり、
そばワッフルなどを出すそうです。

今日は里山での暮らしの一端に触れ
久しぶりになまった身体を動かしただけでしたが、
明日からは「地域」の視点も持っていきたいと思います。

橋本さんの家庭からは「限界」どころか
本当に「希望」しか感じられません。

前回、コトバノアトリエの山本繁さんに
紹介してもらって滞在させていただいたことが
今回のプロジェクトのきっかけにもなったのですが...
本当に素敵な暮らしがここにはあります。

「豊かさとはなにか?」
「生きるとはなにか?」
ということについても感じることが盛りだくさんなので、
こちらもまた追って書いてみようと思います!

P2110050.JPG

プロジェクトに参加してくれている木村くんです。


これを書く前に
これからの情報発信のことについても
もろもろ話し合いました。

当初は複数名で"部分"を作りあって
一つのものを完成させるというイメージでしたが、
"1×複数人"の方が面白いね、という結論になりました。

なので、一応ぼくが全体観を担保しつつ、
相乗り(現地合流)してくれる人が、
個人の視点での感想を完全に表現していき
それが複数溜まって全体感ができていくというイメージになります。

相乗りする人によっては、
超ニッチな分野・視点で表現してくれてもよいので
面白くなっていけばいいなーと思っています。


こうしてプロジェクトの発信方法や発信内容も
現場で触れたことを大切にしながら
随時更新していこうと思っています。

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2009年2月13日金曜日

2.12 富山県魚津市小菅沼

2月11日の21時ごろに練馬IC付近で旅をスタートさせ、
富山へ到着したのが2月12日14時ごろ。

その後は友廣が10月に滞在させていただいた
魚津市の小菅沼地区という集落にお邪魔させていただきました。
(もはや定義はどうでもよいですが「限界集落」になるそうです)

限界集落(出典: フリー百科事典『ウィキペディア』)

詳しい数は確認できていないのですが

家は7軒ほど、人口は20人ちょっとくらいだそうです。

松田さんという区長を中心として
耕作放棄地をつかった都市農村交流を仕掛けようとしています。

この小菅沼は、魚津市のいわゆる街中から
一本道を入って、山をぐんぐん登った上にあります。
上杉謙信ともゆかりのある土地だそうで、
すぐ隣には松倉城跡があり歴史の息吹も感じられます。
なんでも大河ドラマでも出るかもしれないとか??

なによりすごいのがこの棚田。

*写真

集落にたどり着くまでの山の斜面全てが棚田となっていて
しかも上の方からは富山湾が見渡せる、
オーシャンビュー棚田なのです。

以前に滞在させてもらった時も
感想として「風」というキーワードを出したのですが
海からの風が吹き抜ける山の上の集落なのです。
イメージは「天空の村」という感じで、とても素敵なところです!

昨年から地域活性の取り組みとしてヤギを3頭飼われています。
そして今年、そのうちの一頭のお腹に子どもができたとのことで
もうすぐ赤ちゃんが生まれるそうです。

ペットが来ると家族のコミュニケーションが増えるのと同様、
村の中心に動物を迎え入れることでコミュニケーションの
きっかけができるのですね。

冬場はヤギさんたちは小屋に入っているのですが、
それ以外の季節は村中にワイヤーをめぐらせてあって
そこにつないでおくことで半野放し状態で村中を歩き回っています。

そんなことに加えて、
10月に滞在させてもらった時に都会の6人で耕作放棄地に
フェアリービッチという蓮華の種をまいたのですが
けっこう芽を出していたので開花の季節が楽しみです!

今回は少しの時間しかいられなかったのですが、
オーシャンビューの棚田に加えて
素敵な人たちが住んでいるということで
非常に魅力的な場所だと思いました。

あの景色は、田舎や自然に近い暮らしに興味のある人にとっては
思わずあこがれてしまう場所だと思います。


到着から小菅沼、そして宿泊まで
野村博さんにお世話になりました。

以前に滞在させてもらった時のプログラムの主催者であり
現在は富山県内の中山間地域を中心にして
都市農村交流などを行うNPOを立ち上げられる予定です。

東京に来られる度にお会いしていて
いつもいろいろと情報交換をさせていただきています。

一泊目は野村さんがセカンドハウス?に泊めていただきました。
奥さん(プロの織物職人?アーティスト?)のアトリエでもあるそうですが、
内装は二人でやられたとのこと。
めちゃくちゃおしゃれな空間です!

立地も棚田の上にあり
リビングに大きくあいた窓からは
真っ赤な夕日や平野の夜景、
そして富山湾が一望できます。

薪ストーブにあたりながら
ボーっとしているとなんとも心地よいです。



そんな素敵なお宅で、取れたてのイカの刺身や
アジの叩きを野村さんが作ってくれました!
お鍋もとってもおいしかったです。
(食べるのに夢中になって写真がないです...ゴメンナサイ!)

野村さん、ありがとうございました!


現在は、これまた以前に滞在させていただいた
富山県富山市土という集落に向かっています。
こちらには2月16日まで泊めていただく予定です。
14日には東京から二人来ます。

その後は石川へ・・・
(詳細はまだ未定ですが)
珠洲市というところへ行く予定です



*どういう情報を配信したらいいか模索中です。
 ご指導ご鞭撻アドバイス・感想などなんでもよいので
 お気軽にコメントなどお待ちしています!
 よろしくお願いいたします!


*更新が遅れてしますが、当時書いた文面です。