友廣です。
以前に告知させていただいていた
ツアー企画第一弾『ムラアカリをゆく旅』ですが
無事に最高の時間を過ごすことができました。
前回のエントリーにもあるとおり
とてもバラエティーに富んだ素晴らしいメンバーが揃ってくれました。
まあこの時点で楽しくないわけがないのですが(笑)
それぞれが自発的に限られた時間を楽しもうとし
積極的に動いてくれたことが大きかったのかなと思います。
やはり旅は「誰と行くか」
そして、「誰と会うか」が大事だなと改めて実感。
これからも人数をある程度絞って
密度の濃い旅を企画していこうと思います。
+ + + + + +
簡単に旅の流れを共有しようと思います。
mixiをされている方は
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1295450848&owner_id=174928
こちらにも参加してくれた太田英基くんが感想を書いてくれているので
ご覧いただけたらと思います。
東京からは6名がレンタカーで集合、
その他は宮城蔵王、金沢からも自家用車で登場。
1名は旅人として前泊していました。
朝早くに到着して、仮眠して、朝食を食べたあとは
今回のメインディッシュの一つである「稲刈」へ。
ここ、「土遊野」農場は橋本秀延さん・順子さんが
20年数年前に入植して山間部の棚田を借り
少しずつ開墾されてこられました。
一貫して無農薬有機栽培にこだわり
いまでは「合鴨」くんたちが大活躍して
5,3ヘクタールの田んぼで米を作られています。
合鴨は糞が肥料となるだけでなく
稲がある程度育ったあとは稲は食べないで雑草だけを食べる。
泳ぎ回ることで土中に空気を入れたり
水をかき回すことで太陽の光が入らず
雑草の成長を抑制するという効果もあるのだとか。
果ては、そのお肉をいただくこともできる・・・
そんなことを聞いていると
合鴨くんたちがなんとも素晴らしい存在に見えてきました。
ぼくも負けないように価値ある仕事をしていかねば...と気合が入りました(笑)
そんな彼らのチカラをもらって育まれた田んぼで
黄金色に実った美しい稲穂を収穫してきました。
小さい農地で「体験」という感じの稲刈りでしたが
身体を動かして食べ物を得るために働くという時間は
大変だけれども清清しい気持ちになりました。
順子さんが
「百姓にとってお米は神様だから、稲は踏まないようにしてね」
とおっしゃった。
日本各地で田んぼの仕事を手伝わせていただいてきたけど、
この状態になるまでに長い時間と手間を愛情を注いで来られたんだよな。
ふと収穫までのプロセスと、機械がなかったころの農業を想うと
「お米は神様」と言った先人の気持ちが少しだけ分かった気がした。
参加してくれた一人は小さい頃に
「お米を残すとじいちゃんにビンタされた」と話してくれました。
それほどまでにお米というのは尊いものだったんだろうなぁ・・・
なんて思いました。
お次はその足で大きく実ったきゅうりをもぎ取り、そのままお昼ご飯へ。
橋本家の娘さんめぐみちゃんお手製のトマトシチュー。
自給率ほぼ100%。名づけて「土のめぐみのトマトシチュー」
(この集落は「土」という名前なのです・笑)
お次は枝豆の収穫!
今晩食べる分を...と言われたのに
おもいっきり欲張って収穫しました(笑)
上の彼はまるでプロのようですが
まったくの素人です。念のため(笑)
その後は草刈。
もともとは田んぼだったものの、高齢化によって手放され
荒地になっているところをこれから開墾されるとういことで
ぼくらも草刈をお手伝い。
ツタが生い茂っていてまさに荒地。
しかし橋本さんたちはこのような土地を開墾し、
いまのような素晴らしい場をつくりあげられてきた。
そのリアルを感じて欲しいと言うことで
少しだけだけれど開墾を体験させていただいたのですが
日ごろのストレス発散もあったのか
この見晴らしのよい立地もあったのか
勢いよく立ち向かって気持ちよく終えました。
妙な達成感を得ました(笑)
そのあと地元の温泉に浸かって、汚れと疲れを洗い流したあとは
手作りの「峠の茶屋」にてそば打ちをしました!
写真にあるように絶景のロケーションに立つ
この小屋も手作りだそうですが・・・
(ぼくが前に来たときには枠しかありませんでした^^)
その小屋の中で、手作りのそばを打つ!
みんな初体験とのことだったのですが
これがめちゃくちゃうまかったです!
この「そば」ともぎたて茹でたての「枝豆」と冷えた「ビール」という
史上最強のコンビネーションによりテンションはマックスに。
10人ちょっとに40人前以上のそばという贅沢な状況に
みんなお腹も心も満たされました。
最後は日本口笛選手権ファイナリストの口笛や(笑)
現役保育士さんによるウクレレによる楽しい宴をはさみつつ、
真面目な議論を夜中まで交わして就寝。
順子さんはソーシャルワーカーをされていた経験から「農業」に辿り着き、
仕事・生活・学び...などがつながる暮らしをしたいという想いから
この富山の地に移住されてこられたとのこと。
心を病んだ子ども達と接してこられる中で
「土遊野」とかかわりを持って変わっていく瞬間の話が興味深かったです。
ぼくの中でのキーワードは
「場の持つチカラ」と「自然には自己肯定感のメッセージが内在している」でした。
あとは以前にも聞きましたが
「遊」という字にこめられた「遊び」「わくわくする気持ち」の大切さ。
「笑いがなければ人生は楽しくない」という言葉。
水俣の吉本さんも何度も口にされていたけれど
当たり前(であるはず)の「笑」の大切さを改めて感じました。
この場にはそのチカラが溢れています。
午前中は二人ペアになって一人が目をつぶって
もう一人が誘導して歩くと言うアクティビティをやりました。
言葉も一切使わず、相手を信頼して歩くという
視覚・聴覚障害者の方の感覚を体感するというものなのですが、
ぼくらがやってみるといかに普段視覚に頼っているかが分かります。
自然の中にいても、どうしても視覚の情報だけで感じているのですが
目をとじることで聴覚や足の裏の感覚などが鋭くなり
違う視点から自然に向き合うことができます。
そんなプチワークショップをしながら鶏舎へ向かいました。
そして一人一人ヤギの乳絞りをした後
鶏が卵を産む瞬間を見せてもらいました。
この卵を産む瞬間は何度見ても心が揺さぶられます。
当たり前ですが、
どんな卵も一つ一つ鶏が真剣に産んでいるんです。
どんなにスーパーで冷たく並べられている卵も産みたては温かいのです。
そして、粘膜に囲まれているため濡れています。
そのあとは母屋に戻って
ツアー最後の振り返りワークショップをしたのですが、
「ふだん想像力を働かせることが大事って言ってきたけど
今まで卵を食べる時にあんな光景を想像したことなかった」
という言葉が出ました。
見たことがないのだから当たり前なのですが
なんだかこの言葉が嬉しかったです。
なぜなら僕もはじめて見たとき、同じ事を想ったから。
「命は生きてるから温かいんだよ」
「温かい命をいただくから皆の身体も温かいんだよ」
順子さんは子どもの自然体験のときに
こんな言葉を伝えるのだそうです。
子どもの頃にそんな体験ができたら、
他人のいのちも、自分のいのちも
大切に扱えるようになるんじゃないかと思います。
もっとみんなの言葉もお伝えしたいのですが
今日は長くなってしまったのでこのへんで。
また機会をみてお伝えできたらと思います。
とにかく、
「ムラアカリをゆく旅」第一弾は
事故や怪我もなく無事終えることができました。
これから今まで訪ねさせていただいてきた地域を中心に
いろんな地域をみんなで旅できたらいいなと思っています。
今回のツアーで改めて現場を訪ねることの大切さを感じました。
もちろん、文字にしたり生で話したりということも続けていきますが
どんなに言葉を重ねたとしても伝わらないことがあるなぁと改めて実感。
これは妥協ではなく、事実として「場」の持つチカラはやはり大きいです。
たくさんの人に現場を見てもらい、感じてもらい、学んでもらい
土の人と風の人がよい関係を結べるような役割を担いたいと思います。
これからもしばらくは少人数でやっていく予定ですが
興味のある方はぜひとも連絡をいただけたらと思います。
また次の企画も決まったらお知らせしますね!
それでは、
参加してくれたみなさん、
そして土遊野の橋本さん
本当にありがとうございました!!
ここまで読んでくださりどうもありがとうございました。