今回は盛りだくさん。
猿回しの話はぜひ読んでください><
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美郷町を後にして向かったのが
山口県立大学。
毎日新聞に掲載していただいた記事を見た
安藤公門さんがブログにコメントをくださって
「山口に行く時は連絡します」というわけです。
安藤さんは「あったか村」の事務局長、
いまは大学院で肥溜めを研究されているそうです。
その研究発表に呼んでもらったのですが、
「うんこ」はすごいメッセージを秘めているということが分かりました。
昔は畑の肥やしとして「金」といわれたのが
近代化の課程で衛生的な事情もあいまって
「厄介者」となったウンコ。
膨大な建設費がかかる下水処理場を立てても
67%を有効利用、33%は焼却埋立処分している。
有効利用っていったって、
大量のエネルギーを使ってるわけで
社会システムの循環に乗らないで詰まっているわけです。
小規模な単位でなら醗酵させて金の価値となるが
大規模に集めてしまうとニッチモサッチいかない。
システム化を進めすぎると
うまく回らなくなるというジレンマを
分かりやすく体現しているなーと感じました。
岡山の玉木さんがおっしゃっていたように
やっぱり「出す」ことから
社会を再考していく必要がありそうです。
※「2008年版環境・循環型社会白書」で
肥溜めの価値について明記されたそうです。
*
終わったのが21時半。
そのあと安藤さんの友人の伊藤丈二さんをご紹介いただき
お宅へ向かう。
国道からそれると
そこには二軒しか家が無くて一軒は空家。
ここは古泉城(古戦場とも書く)という地区なのですが
他の家があるところまでは1kmほど離れている。
静かなところです。
到着した4月23日は「世界本の日」
本の日にちなんで日中NHKで
シャンティというNGOが日本からカンボジアに絵本を送り
現地の言葉に翻訳して移動式図書館を展開する活動が紹介されていました。
たまたまそれを道の駅のテレビで見ていたのですが、
伊藤さんご夫婦とお話していると
なんと!お二人ともシャンティのスタッフだったとの事。
里絵さんはボランティアスタッフ、
丈二さんはアフガニスタンやタイに7年ほど滞在されていたそうです。
世界本の日に、たまたま見たシャンティに所属されていた方の家に
たまたまお邪魔するとは・・・
*
そして、さらにこの家には
「猿回し」の芸人さんが来られていて
なんでも明日から萩で公演をされるとのこと。
面白そうだと思ってお話を聞かせていただいていると、
「猿舞座」の村崎修二さんとおっしゃって
日本の猿回しを復興させた方だとの事。
昭和30年代に一度は途絶えた猿回しの文化を残すために
生き残っている人を訪ね歩いて蘇らせたのだそうです。
晩年の宮本常一先生が手塩にかけ
渋澤家や司馬遼太郎さんの支援を受けながら
何年もかけて本物の芸人の道を歩まれてきたとのこと。
はじめは記録で残そうと思っていたところ
それでは猿回しは残らないのだと宮本先生に怒られて、
自らの人生をかけて芸人となる。
その後、人気が出て今では400組ほどの猿回しがいるそうですが、
そのほとんどが「にわか仕込み」という手法をとっているそうで、
これは本物ではないそうです。
猿は牛や馬の守り神として
「神様」として神聖な動物なのだそうです。
ところが、今の猿回しは見世物として失敗しないため
叩いたり噛み付いたりして「調教」するのが一般的。
この「にわか仕込み」に対して
村崎修二さんや息子の耕平さんがやられている
「本仕込み」というのは、絶対に叩いたりしないで育てるのだそうです。
はじめの数年間は
ひたすら抱きしめてスキンシップを取って仲良くなる。
たまたまできたことに対してとにかく褒める。抱きしめる。
本番の公演でも猿の機嫌次第ではなにもしないこともある。
それはそれで仕方が無い。無理やりやらせない。
「なにもしないときは芸人がなんとかする」
この関係が、ほんとうに素敵なのです。
愛にはじまり、愛に終わる。
本物を追求する姿勢、
修二さん・耕平さんに「プロ」の芸人魂を感じました。
全国で一番古くて、「本仕込み」の数少ない猿回しにも関わらず
今も旅芸人としてのスタンスを変えておらず
ずっと車一つで全国を行脚されています。
劇場を構えて観光バスを呼んだほうが儲かる。
でも、あえて全国各地のお寺や公園で
人を集めて、投げ銭をいただいて生計を立てる。
芸能というのは本来こういうもので
きっと、閉塞したムラ社会に外からの爽やかな風として
日常を鮮やかに変える「ハレ」の役割を果たしていたのだと思います。
「宮本常一の教えは、一生乞食でいろってことだったんだよ。
だからこれからもずっと乞食だな。はははー」
修二さんは人生をかけて、
過酷な芸の道を歩むにもかかわらず
このスタンスを変えられない。
上座に座ってもらおうと思うと
「そういう差別はいやなんだ」と一蹴。
「偉くなりたくないね。高いところに行くと見えなくなるものがある。
それに、ぼくらはずっと猿と一緒の目線でいるんだよ」
幸運にも、二晩も同じ屋根にとめていただき
本当にすばらしいお話を聞かせていただきました。
公演は全部で四回見させてもらいました。
お猿さんは上手な芸をしません(笑)
好き勝手動き回っているし
落ち着きはないし何度も糞はするし・・・^^
立ち上がって歩くのを教えるために
叩けば3ヶ月、叩かないと2年
いや、2年かかっても歩かないかもしれないそうです。
でもね、大切なのは時間じゃない。
そして、失敗しないことじゃない。
その信頼関係から繰り出される本物の芸を見た時
笑いながらも涙がこぼれそうになるのです。
この猿回しも、今の社会に必要な
本当に大切なメッセージを秘めていると感じました。
紹介してくれた安藤さん、
泊めていただいた伊藤さんご夫妻
そして猿舞座のみなさんどうもありがとうございました!
*
そして一路福岡へ。
東京でお世話になっていた
渡辺紳二郎さん宅に泊めていただいたあと
頭と身体と諸々を整理しています。
明日からは南へ下る予定です!
素晴らしい旅をなさっているようですね。
返信削除僕もしてます。
僕は一カ所に留まっていますけどね。
お互いにがんばりましょう!