友廣@美瑛町。
今朝、士別市の谷くん宅を出ました。
谷寿彰くんは北海道大学の大学院を卒業後、
実家の農業を継いで2年目になります。
むしろ農業をすると決めて大学院に行っていたわけですが...
お母さんいわく、
「大学院まで行ったのに農業なんてさせてかわいそうに・・・」
と周りからは言われたそうです。
まあきっとそうでしょうね。
北大大学院で新卒農家はめったにいないでしょうから(笑)
そんな彼は田畑合わせて13町歩(ha)を両親と共に耕しています。
お父さんの身体の調子がよくないので
肉体労働は早速彼が主役になのですが
この広い農地を管理するのは大変なことです。
ぼくが到着した翌日から一泊二日で「接待ゴルフ」ならぬ
「接待釣り」に出かけて行ったので、お母さんと一緒に草取りをお手伝い。
(あ、ちなみにぼくが突然お邪魔することになり、谷くんはいなくてもよいと言って
無理に押しかけたわけなので彼は全く悪くありません。誤解のないよう念のため・笑)
北海道の農業っていうと、
・丘陵地帯に一面じゃがいもが植わっている・・・
もしくは
・見渡す限り一面の牧草地帯に牛が歩き回っている・・・
そんな画一的なイメージを持っていました。
(皆さんもそうじゃないですか?笑)
それはきっとカ○ビーや雪○などに作られたイメージです。
前者は道央の美瑛あたり、後者は道東の十勝あたりでしょうか。
ところが士別では半分は水田、半分は畑作といった感じで
本州の平野部の農村風景をそのまま10倍くらいに
引き伸ばしたような感じの印象でした。
本州の中山間部では
「1.5町歩(ha)くらい農地があればなぁ・・・」という声を
何度か耳にしたことがあったのですが、
それに比べて谷家の13町歩が北海道では小さい方だ
ということから規模の違いが分かるかと思います。
さらにさらに、
北海道農業といえば大規模だけれども機械化が進んでいて
すべて機械でやってしまうのだとばっかり思っていました。
(思っていませんか!?)
ところがどっこい草取りはなんと!人力でした。
3町歩はあろうかという大豆畑に入り
ひたすら一本一本雑草を取っていきます。
片道160m。はるか彼方に向こう側が見えます。
この作業が必要なのは
除草剤を撒いていないからだとのこと。
消費者の立場では有機がいいとか、
無農薬がいいとか簡単に言ってしまうけど
やっぱり現場では大変な負担があるのだ。
ぼくがお手伝いをさせてもらったとき、
朝から晩まで一日8時間は畑の中にいた。
足は筋肉痛で悲鳴を上げていたのだけれど、
ぼくはせいぜい三日間限定の存在でしかない。
でも一緒に草抜きしていたお母さんは明日からもずっと続くのだ。
帰る前に広大な畑を見渡して思わず失笑してしまった。
まだまだ終わりそうもない。
草取りだけ続けても、まだしばらくはかかりそうだ。
これが北海道農業のリアル。
北海道というのはイメージが確立されていて
それらは総じて良いイメージではあるのですが
分かりやすいイメージには必ず抜け漏れがあるものだ・・・
ということを再確認しました。
やはり現場で汗をかかなければ分からないことは多いですね。
*
さらに驚いたのは
そんなに手間をかけて除草剤をまかなくったって
価格の差は微々たるものでしかないのだそうだ。
消費者や環境のことを考えた上で
農家のプライドとして使っていない・・・というような感じだった。
でも高齢化が進んできたら、使わざるを得ないかもしれないと言っていた。
手間に対して付加価値がつかないって・・・
それってナンカオカシクナイデスカ??
一次産業の現場をいろいろと訪ねさせてもらったけれど
最近いくつか共通の問題点が見えてきた。
そのうちの一つが
中間業者の存在だ。
生産者と消費者をつなぐ役割を担う組織がある。
(農業でいうところの農協)
もちろんこの役割は重要なのだけれど
現状の問題点としては「付加価値をつけられていない」ことだと思う。
流通から販売までの既得権的チャネルを持っているので
生産者に対する交渉力は依然大きいのですが、
モノを横に動かす以上の価値を付与できていないのではないか。
たとえば、ITインフラ・宅配サービスの整備によって
生産者と消費者が直接販売できる環境ができた。
ということは、
間に入ってマージンを取る中間業者は
そのマージン以上に価値を付加する存在でなければならないはず。
(直接販売ができなくても当然のことだけれど・・・)
需要と供給の変化に身を任せて価格を動かすだけではちょっとなーと思うのです。
一次産業は総じてそういう状況が多い気がする。(一部、二次産業でも当てはまる?)
この辺りに自分の役割を見出そうと思っています。
悶々と考えていますが、これはまたの機会に!
*
話がだいぶ脱線してしまったけれど(笑)
谷くんは自分の農地で有機農業をはじめたり
士別の若い仲間達とBLUE SEEDSというチームで
ブランドかぼちゃを生産から販売まで仕掛け始めています。
最後の夜には「BLUE SEEDS」代表の大友さんと
「青年ドットコム」という士別のまちづくりを仕掛ける団体の代表大澤さん
の二人と一緒に飲み会をセッティングしてもらいました。
(ご馳走様でした!!)
思考のセンスがよくて頭がいいなーという印象の三人で、
士別の今後がとっても楽しみです!
まだはじまったばかりという感じなので要チェックですね。
海士町で半農半漁?をしている一橋OBの宮崎さんや
高知大学で林業の井上しょーちゃんあたりと
谷くんをつなげたら話が盛り上がりそうだなーなんて思いました。
一次産業の現場にとびっきり優秀な人が揃ってきてます。
これは、必然的に変化が生まれる流れですね。
わくわくします!笑
*
またもや話がそれてしまいましたが
草取りをしながら北海道農業を感じれたことは
大きな収穫でした。
谷家のみなさん、ありがとうございました!
付加価値を感じてもらうための施策を普通にやると、
返信削除マックのトレーにある紙みたいのになるんだろうね・・・。
イメージだけじゃなく、リアルな体験に基づいて価値を感じてもらうための仕掛けが必要になりそうだね。