2009年5月16日土曜日

[Column] 水俣のイメージ


「水俣は白黒だと思っていた」

吉本さんが出会った人が
そんなことを言ったそうだ。

水俣で聞いたとき
思わず笑っていたけれど、
振り返ってみると水俣の色は灰色だった。

みんな
悲しんでいるか
苦しんでいるか
怒っているか
泣いているか...

そんな印象しか持っていなかった。
だって、教科書でも、テレビでも、
目にするものは全てそうだったから。


水俣に到着してすぐに
吉本さんはタケノコ掘りに連れていってくださった。

竹やぶに入り、
みんなでタケノコ探しに集中した。

帰ったら大きな鍋に火を起こし
アク抜きをしたら
おいしい料理になって食卓にならんだ。

竹やぶを歩き回って自然を感じ、
そして、自然の恵みをいただく喜びを得る。

「まずは"おいしい"から入ることが大事だ」

初日を終えたとき、
水俣のイメージは
鮮やかな黄緑色になっていた。


この経験は大きい。

「言葉は大事だ。
 でも、言葉にした瞬間、言葉から漏れてしまうものがある」

公平な情報なんてないし
すべてを切り取ることなんてできない。

でも、このことを強く認識することは大事だなぁと思う。


ぼくは客観的な水俣を伝えるつもりはない。


濃い灰色の上に重なった黄緑色を――

灰色があるからこそ引き立つ
鮮やかな黄緑色を伝えたい。



水俣を他の地域に当てはめても同じだ。

レンズを曇らせないように
しっかりと磨いていこうと思う。



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